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  • 執筆者の写真nsawa-saraca

【2nd制作その5】今感じる単体マシンの魅力


Roland SVC-350

私は殆どテレビを見ないので、テレビを前提とした会話にはついていけず、いまだに苦労することもありますが、最近はむしろ若い世代がテレビから離れているようにも思います。テレビが無いといってもそれほど珍しがられる事でもなくなったようです。そうやって価値観は変わっていくのですね。

自分からはテレビを見ることはないのですが、先日、家族から「最近はアナログレコードの売上げが上がっているというTVの記事があった」と教えてもらいました。何と、アイドルグループAKB48もアナログ盤を出しているんだとか。 レコードプレーヤーも、USB端子が付いたものがあって、PCやスマホやデジタル音楽プレイヤーにも取り込めるものが好評なんだそうです。

ひと昔、大量のCDが全てMP3ファイルに入るから、もうCD(物体)はいらない、というのが、デジタル音楽プレイヤーの売りだったわけですが、その後に来たこの現象は、わざわざ、かさばる物を割高の値段で買って、わざわざ物を増やして、その後わざわざデータ変換して、携帯型デジタル音楽プレイヤーに入れて外に持ち出して聴くということをやり始めているのです。

綺麗な写真が撮れるスマホを持っていながら、わざわざフィルム代を払って、ポラロイドカメラで写真を撮るのが流行っているというのと同じ現象ですね。

スマホの中で何でも処理出来てしまう事が当たり前になると、今度は単体の機械に魅力を感じてしまうという事なのでしょうか。つまり、手を動かす手間のかかる感じが味があって新鮮で楽しいと。

何とも人間は贅沢で、欲望は尽きること無いということですね。

音楽製作でも、プラグインソフト等の便利さが当たり前になると、今度は、わざわざ単体マシンを使うことがリッチ、というのが今の感覚なのではないでしょうか?

そんな時代の空気を意識した訳ではないのですが、今回のn'sawa-saracaの作品製作にあたっては、単体マシンをいくつか使おうと思っていました。その中の一つ、ボコーダーRoland SVC-350。YMOも使用していた素晴らしい機材です。

実は故障中のまま何年も経ってしまっていたのですが、かろうじて音が出せる音域で試しに音を出してみたら、本当に良かった。やはり、アナログ単体マシン独特のマイルドで立体感のある質感があった。

プラグインソフトに比べたら、ノイズはあるし、そもそも故障中だったのに、なぜ魅力を感じてしまうのでしょうか?人間の感覚は言葉や理論では説明できないですね。

というわけで、このRoland SVC-350をレコーディングで使用するために、修理に出しました。

良い状態に復活してくれる事を祈っています。

そして、新しい作品では、このボコーダーの魅力を引き出して、特徴づけたいと思っています。

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