Steelpan奏者の渡辺明応とのユニット n'sawa-saraca + akio watanabe を紹介します。
私の関わっているいくつかのユニークなプロジェクトの1つです。
ピアノとSteelpanの組み合わせは、モンティアレキサンダーとオセロモリノーの「IVORY & STEEL」が有名です。とても素晴らしいアルバムで、2人の魅力が詰まっています。オセロモリノーは、ジャコパスのバンドのメンバーとして知っていましたが、このアルバムはもっと本人の魅力が伝わる作品です。
一方、私たちはRhodesとSteelpanの組み合わせなのですが、この2つの楽器の相性はとても良いです。
もっとも、Steelpanは、どの楽器とも相性が良い気もします。
生楽器だけではなく電子楽器でも民族楽器でも溶け込むことが出来てしまうのはSteelpanの魅力の1つと感じます。
n'sawa-saraca + akio watanabeは、サンプラーを使ってビートをその場で変化させながら、RhodesとSteelpanで生演奏しています。渡辺明応は、Steelpanを演奏しながら、片手でサンプラーを操作したりします。
カラオケトラックを流しながら、その上で演奏する方法ではなく、LIVE感があります。
また、SteelpanやRhodesの音も、生演奏に拘っているわけでもなく、サンプラーでもSteelpanやRhodesの音を再生させたりして、生演奏の音なのか?もはやトラックの音なのか?その区別もつかない不思議な世界が繰り広げられます。
更に、このユニットのコンセプトはSteelpanという楽器の扱い方にあります。
Steelpanというと、トロピカル、夏、のイメージのアイテムとして使われることが多いし、多くの人々は、それを期待します。
そもそも、多くの人々はコテコテのジャンルが大好きだし、表現者もリスナーもジャンルに紐付いているイメージを期待しています。
n'sawa-saraca + akio watanabeでは、一旦、Steelpanとそこに紐づくコテコテなイメージを切り離し、1つの楽器としてSteelpanを取り扱い、自由になって可能性を広げています。(勿論、そのような扱いをしている楽曲やグループは数多くあります)
Steelpanの音は仕組み上ピッチベンドはかけられませんが、PCに取り込んでベンドをかけたり、通常では表現出来ないようなことにも挑戦しています。
Rhodesについても、チョッパーべダルやデジタルディレイ、カオスパッド、moogerfoogerなどのエフェクターを使用して、独自のRhodesのサウンドを探求しています。
Rhodes以外には、もう1台のシンセ、サンプラー、モジュラーシンセ、リズムボックス、そしてボコーダー など、主に実機を使用して、リアルに音を出します。
PCで何でも処理できてしまう時代だからこそ、実機を持ち込んでLIVEをやります。
同時に実機の音をPCに取り込んでサンプラーに落とし込んだ音も同時に再生します。
実機の音をPCで加工して、ビンテージカセットレコーダー「デンスケ」で録音し、そのlo-fiな音を再生して再びPCへ高音質で取り込み、その音をサンプラーで流したりもしています。
もはや何が実機で何がバーチャルで、何が高音質で何がlo-fiなのかの区別もつかなくなり、混ざり合うことで、かなりユニークなサウンドになっています。
曲は全曲オリジナルで、サブスクで配信しています。
巨大プレイリスト「lofi beats」や「mellow beats」にも選曲されました。
Steelpanに紐づくコテコテなイメージ・ジャンルから切り離し、このようなジャンルに振り分けられたというのも、何かしらの達成感・成果を得られた感触がありました。
フィジカルとしては、カセットテープ を制作しました。
今までも、重たいRhodesや実機を運んで、いろんな所でLIVEを重ねてきました。
松戸のsmoke books
地元、市川の葛飾八幡宮のニューボロイチ
多摩川のフェスTAMARIBA
津田沼のunite
竹芝の夏ふぇす
江戸川のカワミュー
unite制作のグッズも
準備は大変だけど、楽しい時間です。
というわけで、今回は、ユニークなユニット n'sawa-saraca + akio watanabe を紹介しました。
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